青いビニール風船のようなものが、神奈川県鎌倉市の由比ケ浜海岸に打ち上げられて大騒ぎになっています。
正体はカツオノエボシという生き物で、これが人体にとても危険な毒をもっているそうなんです。
そのカツオノエボシとはいったい何者なのか?
カツオノエボシの危険性と毒性、そして刺されてしまったときの対処法など調べてみました。
さっそくご紹介していきます!
カツオノエボシって何者?
海の中をさまよう動物で、猛毒をもっていて、刺されると燃えるような痛みや皮膚が火ぶくれ腫れ上がることがあります。
そこから別名「電気クラゲ」ともいわれます。
けれどクラゲの仲間ではなく、1つの個体のクラゲではなく、ヒドロ虫が数千も集まったものです。
大きさ約10cmほどの透き通った青い浮き袋をもっていて、これが風や潮によって流されながら移動しています。
この浮き袋のカタチが烏帽子に似ていることから、三浦半島や伊豆半島でカツオノエボシと言われるようになったそうです。
発生する時期は毎年8月から9月にかけて秋がおおいので、5月前半に大量発生しているのはかなりめずらしことです。
南風が多く吹くと、夏前に漂着することもあるという。
4月中に鎌倉市周辺では、南寄りの風が吹いた日が30日中、23日もあったことでカツオノエボシが浜に流れ着いたのではないかといわれています。
カツオノエボシの危険性
引用元:wikipedia
キレイな外見をもっているので、つい触りたくなってしまうカツオノエボシですが、その触手に猛毒も持っています。
触手は平均10cm程度、長いもので約50cmにもなります。
この触手を刺激すると、表面の刺胞から毒が発射されて、肌につくと刺されたという状態になります。
人が刺されると電気に触れたような激痛が全身に走るため「電気クラゲ」といわれると先ほども触れましたが、その刺されたところが赤くミミズ腫れになります。
そして1度カツオノエボシに刺されたことのある人が二度目に刺されると、アナフィラキシー・ショック(アレルギー反応によるショック)を起こし死亡した例もあります。
スズメバチ並みの危険度だと思ってもいいですね。
そして、カツオノエボシは死んでいても、ちぎれていても、浜辺で打ち上げられて乾燥していても、中に毒が入っているのでふれると毒にやられてしまいます。
カラカラに乾燥すると青いプラスチックのようになり、その状態でも湿気があると復元して刺胞細胞が活動し、刺されるようです。
浜辺に打ち上げられているカツオノエボシ
由比ヶ浜海岸にカツオノエボシ
大量発生??
10分歩いて10匹以上見つけました。
猛毒のクラゲなので綺麗でも触らないでください!#由比ヶ浜#カツオノエボシ#触らないで pic.twitter.com/tXU1EYDpLr— さわ (@2647e) 2018年5月3日
海岸でみつけても絶対触らないようにしましょう!
あ、これ……ぱっと見は、プラスチックの破片ぽくて、触って遊びたくなるヤツだわ。ですね。気をつけないと
— 百合猫 (@yurineco) 2018年5月5日
刺されると傷跡がずっと残ったりします
触ったら一生消えないような傷が残ります
ビニールの切れ端と間違えやすいので子供がよく触るんですよね
— ?????? くろうさぎ?:バズRT ?????? (@kuro_usyagi) 2018年5月6日
ちいさいお子さんにも教えよう!
海にいったら見つけても触らないように最初に教えてあげましょう!
子供の時に見たこと無い青い風船だーってみんなでバチバチ踏んでたら全員謎の激痛に襲われた事ある
その時は原因が分からず翌日も繰り返す馬鹿でした(;´д`) https://t.co/pCqaSKPZyc— CBちょいかわ (@kumattaka) 2018年5月7日
知らないで触ってしまうと大変なことになるので注意が必要です。
こんなふうにするのはとっても危険なことですね。
カツオノエボシを刺激しないようにしよう
カツオノエボシの毒性
カツオノエボシの毒の成分はまだまだすべては解明されていません。
多く含まれているのはペプチド毒で、全身がしびれるような痛みがあり、皮膚が赤く腫れあがります。
重症になると、嘔吐、血圧上昇、呼吸困難、皮膚壊死性、心臓毒性でショック状態を引き起こすこともあります。
カツオノエボシに刺されたときの対処法は?
泳いでいるときに刺されてしまったら・・・
激痛に襲われるので、刺されたことによってパニックに陥り溺れることがあります。
近くに触手があるので、あまり暴れないようにして、おちついて陸に戻ってきましょう。
陸地で触ってしまったら・・・
まわりにも触手が打ち上げられていたり、乾燥してカタチが変わっていることもあります。注意しながらその場を離れましょう。
正しい応急処置
患部を45°C 程度の湯に浸すことで、毒素が熱変性され痛み・痒みが和らげられます。
けれど、刺されて傷ついた皮膚には、45℃の高温のお湯ではやけどを起こす危険があります。
○海水で刺された幹部を洗い流す。
海水がないときは塩水を作って、皮膚についている触手を洗い流しましょう。
触手がついていて取れないときは、タオルではがすように取り除きます。
ゴシゴシこすると逆効果になります。
このとき素手は使わないように気をつけてください。
そのあとなるべく早く医療機関で治療をしましょう。
間違った応急処置
×砂をかけてもむようにして刺胞を取る(刺胞を肌にすり込んでしまうので悪化する)
×酢をかける(ほかのクラゲには有効だけれど、カツオノエボシに対しては逆効果。刺激をあたえることで、より多くの毒が出てくる)
×真水で洗う(真水で洗うと、浸透圧の差で、刺胞の毒液が体内に入り込みやすく悪化しやすくなる)
カツオノエボシの危険性についてまとめ
海中生物で猛毒を持つカツオノエボシについてご紹介しました。
海水浴などでは事前にカツオノエボシが発生していないかを確認しておでかけましょう。
もし刺されてしまった場合でも、おちついて応急処置をやってみてください。
そのあとは早めに医療機関での治療をおすすめします!