山歩きをしていると5合目とか、6合目とか、場所をしめす用語に「合目(ごうめ)」が使われていますね。
よく考えてみると意味がよくわかっていない事に気がつきました。
山によって標高はちがうし、どんな基準で合目が決まっているのか?
1合というとお米を計るときに使う単位だけど、それとは関係があるのか?
山の合目はどのように決めるのか、気になったので調べてみました。
山の合目(ごうめ)の決め方の基準はなに?
山の「合目(ごうめ)」というのは、登山をするときの到達地点の目安となるもので、ふもとから山頂までを10分割して呼び習わしたものです。
登山口のふもとから一合目、二合目、三合目・・・と、上に行くほど数字が大きくなっていきます。
山によって高さがちがうので、だいたいの目安となるように決められているので、登山道の距離を10等分した距離ではありません。
たとえば1,000mの山の6合目が、高さ600mの地点とは限らないということです。
山の合目は、単純に山の高さを均等に10分割したものではなく、登山の難易度を表したものになっています。
山頂は何合目?
登山口のある麓からはじまって、頂上までの間を10区分にして、下から1合、2合・・・とかぞえて、山頂が十合になりますが、山頂は十合目とは言わないで、山頂といいます。
合目の基準は標高と距離と登山の難易度
山を実際に歩いて登るときにかかる時間が、その合目を決めるおおよその基準になっているので、裾野がなだらかで登りやすい山は、一合目の標高がかなり高くなります。
六合目、七合目と数字が大きくなるほど、頂上に近くなるので、距離は短くなる分、険しい場所や急勾配な場所が増えたりして道が険しくなっていきます。
基本的には、麓から山頂まで10の区分に分けてから、中腹の眺望の良い場所を8合目などに決めてから、あとは適当に割りあてている山もあります。
かかる時間
休憩するポイント
この3つをふまえて、実際のところは山によって決め方がバラバラです。
山歩きをしている登山者が、歩き出しはまだ体力があって元気なので、どんどん登っていけるので距離は伸びますが、後半は疲れてしまい、そのうえ道が険しくなって坂が急になってくると距離が短くなっていく。
なんだか適当な決め方のように感じてしまいますが、昔から、じっさいにその場所を歩いた登山者の感覚的なとらえかたなので、その山の地形ごとに合目が定着していったものが多いのではないかと思います。
富士山の合目がはじまり
「合目」は信仰の対象の山につかわれるたのがはじまりです。
山の高さに「・・合目」と使い出したのは富士山が初めてなのだそうです。
一合(山麓)から始まって十合(山頂)で終わる合目は十界といわれる。
一合目から順に地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、修験道、五合目の人間道までを地界といい、
これより上を天界として天道、声聞道、縁覚道、菩薩道、頂上を妙覚とし、十界曼陀羅を山にあらわして、ここで苦修練行をするのである。
『世界山岳百科事典』より
引用元:国立国会図書館
登山は、その昔はその道を人生にたとえて、修行として行われていたことがありました。
はじめに最終目標を立てて、ひとつひとつクリアして達成していく度合いを、一合目、ニ合目と登っていき、最終目標の山頂に到達します。
富士山の五合目の高さはバラバラ
富士山のように山にはいくつかの登山口があるところも多いですね。
四つある登山道の五合目のそれぞれの高さはバラバラです。
吉田ルートの富士スバルライン五合目は2,305mあるのにたいして、 御殿場口新五合目は1,440m とその差は900mにちかい差があります。
富士山の頂上が3776mなので、それぞれの五合目が半分の高さではないことがわかります。
吉田口ルート | 富士スバルライン五合目 | 2,305m |
須走(すばしり)ルート | 須走口五合目 | 1,970m |
御殿場(ごてんば)ルート | 御殿場口新五合目 | 1,440m |
富士宮(ふじのみや)ルート | 富士宮口五合目 | 2,380m |
このように登山道によってそれぞれの五合目が存在しています。
あたりまえですが、山の形はひとつひとつ違って、同じ形ではありませんので、登山道によって難易度が異なります。
つまり、一つの山でも、五合目の標高が違ってくるのです。
吉田口ルートは五合目でいきなり2305mにもなります。
山頂までの1400mのなかに、残りの6~10合目があるということは、その登山道が急勾配で難易度が高いかを想像できると思います。
この数字を見ると、頂上に近づくにつれて、道のりが険しいことが分かりますね。
おなじ山でも合目は一定では無いということです。
合目という意味は?
合目の「合」は、お米やお酒を計るときに使う単位なので、親しみがありますね。
「合」そのものが「10分の1の量」という意味をもつことから、登山の目安単位となったとwikipediaに記載されています。
合目となった由来について、いくつかの説がありました。
山伏の酒一升説
その昔、山伏が酒一升かついで富士山に登り、途中で休んでは一合飲み、また休んでは一合飲みで、その一合ずつ飲んだ場所を一合目、二合目と呼ぶようになったそうです。
頂上に着いたときに最後の一合飲み終えたという話です。
提灯の油の説
夜の登山で提灯をもってあがったときに、燃料の油が一合分が無くなってつぎ足した地点をそれぞれ〇合目とした
といわれています。
お米の道しるべ説
道に迷わないように、お米をパラパラ落としながら登り、その1合分が無くなったところを一合目と呼んだそうです。
このようにかかる時間を容量にたとえようとして「合」を用いたとされています。
山の合目の決め方まとめ
山登りをするときに一合目、二合目・・とつづく場所の合目の決め方について調べてみました。
・麓から山頂まで10区分されている
・10区分は均等ではないこと
・登山ルートの難易度、登山にかかる時間、休憩するポイントを考慮して決める
ということがわかりました。
富士山の5合目の高さも、登山道によってバラバラで、それぞれのルートの難易度を知る目安になっていることもわかりました。
合目のつけ方は山によって、それぞれ違うのは山の個性でもあるようです♪