新潟県阿賀野市にある五頭連峰は、標高約900メートル。
五頭(ごず)の名前は、一の峰から五の峰までの五つの頂きを持つことからきています。
五頭山周辺では遭難事故が頻繁に発生しているようです。
そのなかでも松平山は五頭連峰の1番北に位置していて、山深くて地形も複雑な場所があります。
松平山の登山ルートはどのくらい危険なのか?
難易度や過去の遭難事故などをみていきましょう。
五頭連峰の松平山の登山ルート
引用元:あがのSPOT
五頭連峰は登山ルートが多彩で、山歩き初心者からや小学生から熟練者まで楽しめるので多くの人から親しまれる場所です。
五頭山MAPに五頭連峰の主な登山ルートが載っています。
松平山への登山ルートは、松平コースで魚止め滝駐車場から山葵山(わさびやま)へ登ってから、松平山を目指すルートで日帰りができます。
休憩時間をいれても往復で5時間で歩けるという案内になっています。
【復路】魚止め滝 駐車場 ←50分 山葵山←50分 松平山
いくつかある五頭山のルートでも松平コースはマイナーな方なので、訪れる人数も多いわけではありません。
そのかわり、激しく流れ落ちる大迫力の滝を間近で見ることができたり、五頭の峰を眺めながら歩ける点は魅力的だと思います。
登山口で登山届を提出
魚止め滝の駐車場から歩いてすぐの場所に登山届を出します。
魚止め滝
登山口からすぐに魚止めの滝があります。
橋を渡り、しばらく川沿いの道を進んでいきます。
このあたりは岩が濡れていて滑りやすいので要注意です。
ときどきカモシカが水を飲みに来るので、偶然出くわすこともあります。
山葵山(わさびやま)山頂693m
いよいよ登りがはじまると、なかなかの急な登り路が続きます。
山葵山からは五頭の5つの頭がよく見渡すことができます。
めざす松平山方面
展望が良く、晴れていると五頭連峰や遠くは佐渡まで見渡せる場所です。
松平山山頂 953.9m
5月の初旬だと、上の方ではまだ雪が残っているところも多く、残雪と藪で歩きにくく体力を消耗します。
五頭山頂までは続く登山道はよく整備されていて、初心者の人も登りやすいということで、多くの人が来ています。
しかし、松平山登山ルートは訪れる人もそう多くないため、雪が残っていたり、笹が生い茂っていて、5月中は歩きにくいかもしれません。
そのため登山ルートで誰にも会わなかったりすることもよくあります。
残雪上の踏み跡も雪が融けると同時に消えてしまうので、登山者の少ない松平山から五頭山の縦走コースのは、地図やコンパスを携帯していくことをおススメします。
2018春!阿賀野市松平山登山
松平コースをじっさいに歩かれた方の動画を紹介します。
かなり山深く、山頂付近では雪が残っていて歩きにくそうです。
足がとられて体力を消耗していきますね。
松平山の登山ルートの地図と難易度
魚止めの滝からスタートする松平山ルート。
グーグルマップには登山ルートは出てきませんが、地形を確認することができます。
五頭連邦周辺の地形図を見ると、結構山深く、枝尾根も多く、地形も複雑です。
松平山の標高は954mあり、くねくねと複雑に走る谷が特徴です。
1000m以下の低山であっても、広大な森が広がる山深いところなので、登山ルートから少し離れるとすぐ近くに急斜面があるので、滑落の危険があると感じます。
堅い花崗岩が複雑に入り組んでできた急峻な地形ということを踏まえて、登山の計画をたてることが大事になってきます。
行く場所の地形を知ることも、自分の身を守るために必要な安全への一歩ですね。
健脚向きのコースなので一般登山者はご遠慮ください
この注意書きで足を止める人はどれくらいいるでしょうか・・・
昨日は天気が良かった為、五頭山は大変混んでた。山の雑誌等は出湯温泉、どんぐりの森コースが一般的だ。先月親子遭難事故悲しい結末となりました。松平山は健脚コースで一般の登山者はご遠慮くださいと書いてある。ましてや残雪期スニーカーは無理、下山は特に迷いやすい。オレは親の責任と思う。
— katatumri (@katatumri) 2018年6月2日
山深いということもあり、五頭連峰周辺は、ツキノワグマ生息地域でもあります。
野生の動物に出くわしてしまう可能性も低くないということも心にとめておきましょう。
五頭憩い森管理事務所の注意書きに以下の文章が載っていました。
☆松平山コース(「いこいの森前の509号つきあたり魚止めの滝」駐車場)
*熟練者向き 上級者コース魚止めの滝~山葵山~松平山
・山葵山まで約1時間30分(平野を一望できます)
・松平山(山野草も多くもっとも五頭らしい奥深い山の雰囲気が残っています)
過去の遭難事故
2018年5月に親子遭難事故がおきました。
捜索部隊によって、事故から3週間たってようやく発見されるという傷ましい事故になってしまいました。
登山中の遭難で多いのが道に迷ってしまうと「沢に下ってしまう」ことです。
遭難した親子が発見されたのも、小倉沢(コクラサワ)という、いりくんだ地形の水辺でした。
道に迷ってパニックになり、ウロウロするうちに水を求めて滝を下ろうとして滑落してしまったのかもしれません。
沢や滝周辺の岩は濡れて滑りやすくなっているので、滑落すると大ケガをして動けなくなってしまうケースが遭難にはよくあります。
松平山のる登山ルートは、雪がある時期は滑落に注意が必要なコースということも覚えておきましょう。
五頭連峰の松平山の登山ルートのまとめ
新潟の五頭連峰の松平山の登山ルートの危険度、難易度について紹介しました。
1000m程度の低山とはいえ、複雑な地形と生い茂る植物、そして残雪などが登山の難易度をあげています。
松平山の登山ルートはコースを外れなければ、踏み固められた道があり、道に迷いにくいです。
道迷いになってときは沢に下らずにその場所を動かないことや、体力の残っているうちに上にむかって登ることが山登りの鉄則です。
戻るべき登山道は上にあるからです。